試行錯誤が、子どもの可能性を拡げる
こんにちは、四谷大塚NETフォーラム塾上本町教室塾長の奧川悦弘です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
今回は、試行錯誤について書きます。
❤︎試行錯誤は考える力
試行錯誤することが、
考える力を養います。
試行錯誤は、
ものごとを考える時に、
誰もが普通に行っていることです。
❤︎試行錯誤はPDCAサイクル
試行錯誤は、
自分なりの仮説を立てて、
実行してみて、
検証する。
いわゆる
PDCA(プラン・ドゥ・チェック・アクション)サイクルです。
❤︎中学受験の問題に試行錯誤
中学受験の問題は、
小学生の子どもにとっては、
試行錯誤するのにぴったりの教材です。
❤︎問題❶
例えば、
次のような問題考えてみます。
1+2+3+4+5+6+7+8+9=?
もちろん、
順番に足していっても、
答えは出ます。
けれども、
単純に足していく以外にも計算のやり方はないか、
と問いかければ、
試行錯誤が始まります。
❶試行錯誤1
数式を見て(1・9)(2・8)・・・
と足して10になるセットを見つける子どもがいます。
❷試行錯誤2
あるいは、
1を5-4、9を5+4、2を5-3、8を5+3と考えて、
結局5が9つあると考える子どももいるかもしれません。
❸試行錯誤3
または、
1+2+3+4+5+6+7+8+9
+)9+8+7+6+5+4+3+2+1
と考えて、10×9÷2=45と答えを出すこともあり得るでしょう。
❤︎試行錯誤で大切なこと
❶何らかの見通しを持って試行錯誤する
大切なことは、
何らかの見通しを持った上で、
試行錯誤することであり、
これが考えることなのです。
❷「なぜ?」「どうして?」を投げ出さずに考えられる
また、
粘り強く、
最後まで投げ出さないで
試行錯誤することです。
❤︎問題❷
次は、魔法陣の問題です。
正方形型の9つのマスに、1から9までの数字を一回だけ使い、タテ・ヨコ・ナナメに並ぶ3つの数の和が同じになるように、数字を入れる問題です。
❶試行錯誤1
どこか端の数字を決めてしまったらどうなる
❷試行錯誤2
各行各列の和が15になるのは、なぜか
❸試行錯誤3
真ん中の数か5でなければいけないのは、なぜか
当てずっぽうではなく、
何らかの見通しを立てて、
試行錯誤しながら考えていく。
これは算数に限らず、
いわゆる理系科目全般に共通する考え方です。
❤︎理科への効果
算数を通じて考える力を身につけたなら、
同じ理系科目の理科も
自然とわかるようになります。
物理の分野は、
テコ、滑車、バネ、浮力、電気などは、
考える力をつけるための良い材料となります。
生物分野は、
それこそ「なぜ?」「どうして?」と
不思議に思うことがいくらでもあるでしょう。
化学や地学は、
考える力を身につけた子どもにとっては、
自分で考えるネタの宝庫みたいなものです。
考える力をしっかり養っておけば、
小学校はもちろん、
中学校、高校と進んでも、
理系は得意科目となります。
❤︎国語への効果
算数の複雑な文章題を解くカギは、
まず問題の意味を理解することです。
つまり、
物事を筋道を立てて考える力がつけば、
文章を読んで理解することができるようになります。
文章を読んで理解することは、
文章として書かれている情報を整理することです。
もちろん、
算数の文章問題と国語の長文問題を比べれば、
文字数は圧倒的に国語の長文問題の方が多くなります。
しかし、
国語の長い文章も、
短い文がいくつも集まって構成されています。
だから、
一文一文を読んで、
書かれている内容を整理していけば、
長い文章の理解もしやすくなります。
後は、
長い文章に慣れる練習をしていけばいいのですね。
❤︎英語への効果
英語の場合、リーディングとライティングは、
ものごとを筋道立てて考える力があれば、
理解が速くなります。
なぜなら、
英語は日本語よりも、
文章の構造(文法)が
一定の法則によって決められています。
基本的な構成を見極めることができれば、
単語の意味がわかるかどうかです。
❤︎社会への効果
社会を学ぶ時に大切なのは、
年号や土地の名前、
人物などを覚えることですが、
「なぜ?」と「どうして?」から入っていくと、
理解しやすく、
理解したことなら覚えやすくなります。
歴史上のほぼすべての出来事は、
人によって起こされています。
人が行動する背景には、
それも何か歴史的な出来事が起こる際には、
必ず理由があるはずです。
であるならば、
その理由を考えることができるはずです。
いつ、どこで、何が、どのように起こったのかは歴史的な事実であり、
その時、最も大切なのが、
誰が「なぜ」そのような行動を起こしたのかです。
❤︎まとめ。試行錯誤が相乗効果をもたらす
中学受験の算数の文章問題には、
試行錯誤する要素がいっぱい詰まっています。
それをを解く子どもたちは、
文章を理解することから始まり、
次に、試行錯誤しながら、
問題に向き合うことになります。
見通しを立て、
答えが出るまで粘り強く試行錯誤します。
試行錯誤して問題を考えた結果、
正しい答えを導き出せる場合もあれば、
導き出せない場合もあると思います。
例え、
正しい答えが導き出せなくても、
考える力は、
確実についていきます。
この"試行錯誤"して学ぶ姿勢の中に、
子どものたくさんの可能性が詰まっています。